23章:2倍光学系のビームスプリッタ影響

    作成2019.11.06
  1. 23章検討結果ファイル
      22章検討結果ファイルは以下からダウンロードできます。
     ダウンロード後は解凍してください。
    「 23章検討結果」をダウンロードする。
      解凍すると「検討結果」フォルダーがあります。
    (1)光線追跡.dll :3次元光線追跡計算サブルーチン本体
    (2)光線追跡-基本.xls : 3次元光線追跡計算の操作
    (3) IN_FM.txt :計算条件表1
    (4) IN_FM2.txt :計算条件表2
    (5) OUT_M.xls :計算結果
    (6)焦点距離計算.xls :焦点距離計算専用VBA
    (7)動作条件説明.txt :必要ファイルの説明
    (8)光線追跡-2倍絞りΦ9.6ハーフt0.3.xls: 2倍光学系のt=0.3mmビームスプリッタ影響計算
    (9)光線追跡-2倍絞りΦ9.6ハーフt3.xls: 2倍光学系のt=3mmビームスプリッタ影響計算
    (10)主光線オフセット.xls:主光線のオフセット計算結果とグラフ
    (11)ビームスプリッタ影響.xls: 2倍光学系のビームスプリッタ影響計算結果とグラフ


  2. ビームスプリッタによる主光線のオフセットΔX
     ビームスプリッタには、キューブ型とプレート型がありますが、ここでは、一般的なプレート型について検討します。
     キューブ型は収差的には有利なのですが、多重反射によるコントラスト低下が起こりやすい問題があります。
     プレート型は、主光線のオフセットと波面収差の悪化の可能性があります。



     図23-1からビームスプリッタによる主光線のオフセットΔXは



    (23-1)式でビームスプリッタによる主光線のオフセットΔXを計算できますが、変形すると



    となります。


  3. 主光線オフセット.xls
    (1)「主光線オフセット」をダブルクリックでオープンします。
    (2)シート「主光線のオフセット」をクリックすると主光線のオフセット計算結果が表示されます。



    *ビームスプリッタ板厚と主光線のオフセット量は比例します。


  4. 開口絞り(NA絞り)直径変更
     以下の理由で開口絞り(NA絞り)直径変更が必要となりました。
    (1)シグマ光機(株)のプレート薄型ビームスプリッターMPSMH-30C0.3-1-550とMPSMH-30C0.09-1-550の有効径がΦ10mmで開口絞り(NA絞り)=Φ12mmに対応できない。
    (2)シグマ光機(株)のLEDスポット照明SLSI-22Wのバンドル径がΦ6mmで開口絞り(NA絞り)=Φ12mm対して少しちいさい。
    *上記部品は観察光学系用の部品ですが、一般的な観察光学系の開口絞り(NA絞り)直径はΦ10mmより小さいことが多い。
    *上記部品対応のため、開口絞り(NA絞り)直径をΦ12mm→Φ12*0.8=Φ9.6mmに変更します。
    *2倍光学系、NA0.12、開口絞り(NA絞り)直径Φ9.6mmの条件で、ビームスプリッタのスポット径と収差への影響を検討します。


  5. 「光線追跡-2倍絞りΦ9.6ハーフt0.3.xls 」
    (1)「光線追跡-2倍絞りΦ9.6ハーフt0.3.xls 」をダブルクリックでオープンします。
    (2)シート「作図」をクリックすると光学系形状が表示されます。



    *上記図において、左端が物体面です。
    *物体側レンズの後ろの2本線がビームスプリッタです。(作図は45度面の作図をサポートしていないため、2本の平行線で表示されています。
    (3)シート「光線図」をクリックすると光線図が表示されます。



    *ビームスプリッタの後ろで主光線のオフセットが0.095mm発生します。
    (4)シート「IN_FM」とシート「IN_FM(t=0.3mm)」が光学系の条件表で、内容は同じです。
    (5)シート「IN_FM2」とシート「IN_FM2(t=0.3mm)」が最適化評価光線の条件表で、内容は同じです。


  6. 「光線追跡-2倍絞りΦ9.6ハーフt3.xls 」
    (1)「光線追跡-2倍絞りΦ9.6ハーフt3.xls 」をダブルクリックでオープンします。
    (2)シート「作図」をクリックすると光学系形状が表示されます。



    *上記図において、左端が物体面です。
    *物体側レンズの後ろの2本線がビームスプリッタです。(作図は45度面の作図をサポートしていないため、2本の平行線で表示されています。
    (3)シート「光線図」をクリックすると光線図が表示されます。



    *ビームスプリッタの後ろで主光線のオフセットが0.947mm発生します。
    (4)シート「IN_FM」とシート「IN_FM(t=3mm)」が光学系の条件表で、内容は同じです。
    (5)シート「IN_FM2」とシート「IN_FM2(t=3mm)」が最適化評価光線の条件表で、内容は同じです。


  7. 「ビームスプリッタ影響.xls 」
    (1)「ビームスプリッタ影響.xls 」をダブルクリックでオープンします。
    (2)シート「ビームスプリッタ影響」をクリックするとビームスプリッタ影響が表示されます。



    *図23-7は横軸が視野像高H(mm)で縦軸が光線スポット径σ(μm)です。
    *t=0.3mmはビームスプリッタの板厚が0.3mmです。
    *t=3mmはビームスプリッタの板厚が3mmです。
    *t=0.3mmとt=3mmで光線スポット径σ(μm)が一致することが確認できます。



    *図23-8は横軸が視野像高H(mm)で縦軸が波面収差(λ)です。
    *t=0.3mmはビームスプリッタの板厚が0.3mmです。
    *t=3mmはビームスプリッタの板厚が3mmです。
    *t=0.3mmとt=3mmで波面収差(λ)が一致することが確認できます。


  8. 2倍光学系のビームスプリッタ影響纏め
    (1)ビームスプリッタ板厚と主光線のオフセット量は比例します。
    (2)主光線のオフセット量補正を正確に実施した場合、ビームスプリッタ板厚が増加してもスポット直径は変化しない。
    (3)主光線のオフセット量補正を正確に実施した場合、ビームスプリッタ板厚が増加しても波面収差は変化しない。
    (4)以上の結果から主光線のオフセット量補正を正確に実施した場合、板厚がt=3mmのビームスプリッタが使用できる。(意外な検討結果でした。)








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