6章:アクロマートレンズの設計手順

    作成2019.09.30
  1. 光学ガラスの選定と屈折率の調査
     アクロマートレンズの設計において、光学ガラスの選定が最も重要作業となります。光学 ガラスの組合せが悪いと性能の良いレンズを設計で きません。ここでは、手順の説明ですので以下の光学ガラスを使用します。。

    -青波長μm緑波長μm赤波長μm
    光学ガラス0.486130.546070.65627
    S-BSL71.521911.518251.51386
    S-TIM221.661261.652221.6421


  2. シート「IN_FM2」のパラメータ設定
    (1)「光線光線追跡-2色A.xls」ダブルクリックで起動し、シート「IN_FM2」をクリックします。
     以下のパラメータが表示されます。
    No記号説明
    1RN10収束演算繰り返し回数
    2DH0.000001//偏微分を行う際の変化量を設定
    3Nray21評価光線の本数(MAX100)
    4Rx1目標位置重み
    5Ru0目標角度重み
    6RN15曲率半径最適化+軸間距離最適化の曲率半径最適化繰り返し回数
    7RN25曲率半径最適化+軸間距離最適化の軸間距離最適化繰り返し回数
    8DH10.000001曲率半径最適化+軸間距離最適化の軸間距離変化量
    No1:記号RN:通常10を設定します。
    No2:記号DH:通常0.000001を設定します。
    No3:記号Nray:評価光線の本数と一致させる必要があります。
    No4:記号Rx:目標位置との誤差の重みで1を設定します。
    No5:記号Ru:目標角度との誤差の重みで0を設定します。
    No6〜No8:曲率半径と軸間距離を同時に最適化する機能のパラメータですが問題があるためサポートしていません。


    (2)評価光線の設定
    -入射(mm)入射(rad)目標(mm)目標(rad)
    連番X位置Y位置X角度Y角度X位置Y位置X角度Y角度
    [i]X0[i]Y0[i]U0[i]V0[i]TX[i]TY[i]TU[i]TV[i]
    0-900000-0.09010
    1-8.100000-0.08110
    2-7.200000-0.07210
    3-6.300000-0.0630
    4-5.400000-0.0540
    5-4.500000-0.0450
    6-3.600000-0.0360
    7-2.700000-0.0270
    8-1.800000-0.0180
    9-0.900000-0.0090
    1000000000
    110.9000000.0090
    121.8000000.0180
    132.7000000.0270
    143.6000000.0360
    154.5000000.0450
    165.4000000.0540
    176.3000000.0630
    187.2000000.07210
    198.1000000.08110
    209000000.09010
    *どのような評価光線を設定する必要があるか?は光学系の構成に依存します。
    *像面湾曲等の補正が必要な場合は、X位置、X角度、Y角度を数ステップに分けて変更した評価光線と目標設定が必要です。
    *単純アクロマートレンズの場合は、レンズ曲率半径変更可能な面が3面のみですので、焦点、2波長色補正、球面収差でレンズ曲率半径が決定されます。
    *単純アクロマートレンズの有効径をΦ18mmとした場合、入射X位置を-9mmから9mmに変更します。(収差が大きいときは、有効径を小さくします。)
    *入射Y位置、入射X角度、入射Y角度は全て0に設定します。

    *理想的なレンズでは、平行光線は全てレンズ中心に集光するはずです。
    *目標X位置、Y位置は全て0に設定します。
    *目標X角度、Y角度は、目標角度重み=0に設定しているため、結果には影響しません。
    *参考値として目標X角度=ASIN(入射X位置/焦点距離f)を設定しています。


  3. シート「IN_FM」のパラメータ設定
    (1)「光線光線追跡-2色A.xls」のシート「IN_FM2」をクリックします。
     以下のパラメータが表示されます。
    No記号説明
    1Mp1処理モード(Mp=1入射位置を変数、Mp=2入射角度を変数)
    2NJ8変数範囲の分割数(±NJに分割する)
    3PR9位置変化範囲半径(mm)(Mp=1の時有効)
    4AR0角度変化範囲半径(rad)(Mp=2の時有効)
    5U00入射X方向角度(rad)(中心光線を決定)
    6V00入射Y方向角度(rad)(中心光線を決定)
    7X00入射X方向位置(mm)(中心光線を決定)
    8Y00入射Y方向位置(mm)(中心光線を決定)
    No1:記号Mp:入射位置を変更するか?入射角度を変更するか?を設定します。
    No2:記号NJ:変数の範囲をX方向-NJから+NJ、Y方向-NJから+NJに変更します。
             ただし、円形のマスキングをしますので、光線数=0.77*4*NJ^2=197程度になります。
    No3:記号PR: Mp=1の時、位置変化範囲の半径(mm)を設定します。
    No4:記号AR: Mp=2の時、角度変化範囲の半径(rad)を設定します。
    No5:記号U0:中心光線のX方向角度を設定します。
    No6:記号V0:中心光線のY方向角度を設定します。
    No7:記号X0:中心光線のX方向位置を設定します。
    No8:記号Y0:中心光線のX方向位置を設定します。
    L面数 5
    波長数3
    L面数:最初の面から結像面までの面数を設定します。
    波長数:波長数を設定します。
    面数 面種類曲率 位置オフセットXオフセットY最適化最適化屈折率1屈折率2屈折率3
    無次元無次元(1/mm) (mm)(mm)(mm)条件レンズ番号486.1546.1656.3
    iM(i)1/R(i) D(i)Ox(i)Oy(i)CaR[i]CR[i]111
    00099.6400--111
    100.01934.100V-1.521911.518251.51386
    20-0.0216200V-1.661261.652221.6421
    30-0.004596.4600V-111
    400000--111
    *面数:単位無次元:記号i:0からの連番です。
    *面種類:単位無次元:記号M(i):球面と垂直平面は0を設定します。
    *曲率:単位(1/mm):記号1/R(i):レンズ曲率半径の逆数を設定します。 (垂直平面は0を設定します。)
    *位置:単位(mm):記号D(i):レンズ面間隔と後面焦点位置を設定します。
    *オフセットX:単位(mm):記号Ox(i):レンズ中心のX方向オフセットを設定します。
    *オフセットY:単位(mm):記号Oy(i):レンズ中心のY方向オフセットを設定します。
    *最適化:条件:記号CaR(i):Vを設定した面の曲率半径最適化、または軸間距離最適化を実行します。
                      Pを設定すると指定番号の面と同じ符号で連動します。
                      Mを設定すると指定番号の面と逆符号で連動します。
    *最適化:レンズ番号:記号Cr(i):上記PまたはMの連動面番号を指定します。
    *屈折率1:単位の行に波長をnm単位で入力します。記号の行には、最適化計算時の波長重み=1を入力します。
           面数0以降の行は空気と光学ガラスの屈折率を設定します。
    *屈折率2:屈折率1と同様の設定をします。
    *屈折率3:屈折率1と同様の設定をします。


  4. 焦点距離f=100mm、Φ20mmアクロマートレンズの設計
    (1)シート「IN_FM2」のパラメータ設定
     以下のように設定します。
    No記号説明
    1RN10収束演算繰り返し回数
    2DH0.000001//偏微分を行う際の変化量を設定
    3Nray21評価光線の本数(MAX100)
    4Rx1目標位置重み
    5Ru0目標角度重み
    6RN15曲率半径最適化+軸間距離最適化の曲率半径最適化繰り返し回数
    7RN25曲率半径最適化+軸間距離最適化の軸間距離最適化繰り返し回数
    8DH10.000001曲率半径最適化+軸間距離最適化の軸間距離変化量
    -入射(mm)入射(rad)目標(mm)目標(rad)
    連番X位置Y位置X角度Y角度X位置Y位置X角度Y角度
    [i]X0[i]Y0[i]U0[i]V0[i]TX[i]TY[i]TU[i]TV[i]
    0-900000-0.09010
    1-8.100000-0.08110
    2-7.200000-0.07210
    3-6.300000-0.0630
    4-5.400000-0.0540
    5-4.500000-0.0450
    6-3.600000-0.0360
    7-2.700000-0.0270
    8-1.800000-0.0180
    9-0.900000-0.0090
    1000000000
    110.9000000.0090
    121.8000000.0180
    132.7000000.0270
    143.6000000.0360
    154.5000000.0450
    165.4000000.0540
    176.3000000.0630
    187.2000000.07210
    198.1000000.08110
    209000000.09010

    (2)シート「IN_FM」のパラメータ設定
     以下のように設定します。
    No記号説明
    1Mp1処理モード(Mp=1入射位置を変数、Mp=2入射角度を変数)
    2NJ8変数範囲の分割数(±NJに分割する)
    3PR9位置変化範囲半径(mm)(Mp=1の時有効)
    4AR0角度変化範囲半径(rad)(Mp=2の時有効)
    5U00入射X方向角度(rad)(中心光線を決定)
    6V00入射Y方向角度(rad)(中心光線を決定)
    7X00入射X方向位置(mm)(中心光線を決定)
    8Y00入射Y方向位置(mm)(中心光線を決定)
    L面数 5
    波長数3
    面数 面種類曲率 位置オフセットXオフセットY最適化最適化屈折率1屈折率2屈折率3
    無次元無次元(1/mm) (mm)(mm)(mm)条件レンズ番号486.1546.1656.3
    iM(i)1/R(i) D(i)Ox(i)Oy(i)CaR[i]CR[i]111
    00010000--111
    1004.100V-1.521911.518251.51386
    200200--1.661261.652221.6421
    30010000--111
    400000--111
    *最初はレンズ面の曲率半径はわからないので、全て0を設定します。
    *逆方向後側焦点位置D(0)=100、S-BSL7中心厚D(1)=4.2、S-TIM22中心厚D(2)=2、正方向後側焦点位置D(3)=100、結像面D(4)=0とします。
    *最適化:条件:CaR(1)=Vとし、その他は空欄にします。(最初に焦点位置調整をします。)
    *屈折率にS-BSL7とS-TIM22の値を設定します。
    (3)シート「操作」の「曲率半径最適化計算実行」ボタンを押します。
    (4)N次元Gauss-Newton法によるレンズ曲率(1/R)最適化計算結果が表示されます。
    NoEXaXsYaYs1/R(0)
    15.5805.63000
    21.8601.87000.0124
    30.61500.621000.0165
    40.20800.209000.0178
    50.077600.0782000.0183
    60.043700.044000.0184
    70.038100.0384000.0185
    80.037400.0377000.0185
    90.037300.0376000.0185
    100.037300.0376000.0185
    *10回の最適化計算の結果です。
    *Eが誤差関数の値の変化です。
    *XaはX誤差の平均、XsはX誤差の標準偏差、 YaはY誤差の平均、YsはY誤差の標準偏差、です。
    *1/R(0)が求める曲率半径の逆数です。

    (5)シート「操作2」の「曲率曲率最適化コピー」ボタンを押します。
    面数 面種類曲率 位置オフセットXオフセットY最適化最適化屈折率1屈折率2屈折率3
    無次元無次元(1/mm) (mm)(mm)(mm)条件レンズ番号486.1546.1656.3
    iM(i)1/R(i) D(i)Ox(i)Oy(i)CaR[i]CR[i]111
    00010000--111
    100.018484.100V-1.521911.518251.51386
    200200V-1.661261.652221.6421
    30010000--111
    400000--111
    *最適化:条件:CaR(0)=V、 CaR(1)=Vとし、その他は空欄にします。(2波長色補正をします。)
    (6)シート「操作」の「曲率半径最適化計算実行」ボタンを押します。
    (7)N次元Gauss-Newton法によるレンズ曲率(1/R)最適化計算結果が表示されます。
    NoEXaXsYaYs1/R(0)1/R(1)
    10.037300.0376000.01850
    20.018100.0183000.0211-0.0108
    30.009800.0099000.0223-0.0155
    40.006900.0069000.0227-0.0172
    50.006200.0063000.0229-0.0179
    60.006100.0062000.023-0.0181
    70.006100.0062000.023-0.0183
    80.006100.0062000.023-0.0183
    90.006100.0062000.023-0.0183
    100.006100.0062000.023-0.0183
    *1/R(0)、 1/R(1)が求める曲率半径の逆数です。

    (8)シート「操作2」の「曲率曲率最適化コピー」ボタンを押します。
    面数 面種類曲率 位置オフセットXオフセットY最適化最適化屈折率1屈折率2屈折率3
    無次元無次元(1/mm) (mm)(mm)(mm)条件レンズ番号486.1546.1656.3
    iM(i)1/R(i) D(i)Ox(i)Oy(i)CaR[i]CR[i]111
    00010000--111
    100.0234.100V-1.521911.518251.51386
    20-0.01832200V-1.661261.652221.6421
    30010000V-111
    400000--111
    *最適化:条件:CaR(0)=V、 CaR(1)=V 、 CaR(3)=Vとし、その他は空欄にします。(球面収差補正をします。)
    (9)シート「操作」の「曲率半径最適化計算実行」ボタンを押します。
    (10)N次元Gauss-Newton法によるレンズ曲率(1/R)最適化計算結果が表示されます。
    NoEXaXsYaYs1/R(0)1/R(1)1/R(2)
    10.0061100.00616000.023-0.018320
    20.0055700.00562000.02096-0.01914-0.00197
    30.0037400.00377000.01975-0.01996-0.00318
    40.0022400.00226000.01911-0.02047-0.00383
    50.001700.00172000.01882-0.02072-0.00413
    60.001600.00161000.01871-0.02082-0.00425
    70.0015800.0016000.01867-0.02085-0.00429
    80.0015800.0016000.01866-0.02087-0.0043
    90.0015800.0016000.01865-0.02087-0.00431
    100.0015800.0016000.01865-0.02087-0.00431
    *1/R(0)、 1/R(1) 、 1/R(2)が求める曲率半径の逆数です。

    (11)シート「操作2」の「曲率曲率最適化コピー」ボタンを押します。
    (12)シート「IN_FM」をクリックして、曲率半径の逆数を確認します。
    面数 面種類曲率 位置オフセットXオフセットY最適化最適化屈折率1屈折率2屈折率3
    無次元無次元(1/mm) (mm)(mm)(mm)条件レンズ番号486.1546.1656.3
    iM(i)1/R(i) D(i)Ox(i)Oy(i)CaR[i]CR[i]111
    00010000--111
    100.018654.100V-1.521911.518251.51386
    20-0.02087200V-1.661261.652221.6421
    30-0.0043110000V-111
    400000--111
    (13)「焦点距離計算.xls」をダブルクリックで起動します。
    (14)シート「多面レンズ(緑) (4面)」をクリックします。
    (15)「光線光線追跡-2色A.xls」のシート「IN_FM」の曲率、位置、屈折率をレンズ計算条件入力表の曲率、位置、屈折率等を下記表のようにペーストします。
    No記号説明
    1Dia20レンズ直径(mm)
    2NJ5変数範囲の分割数
    3WL546.1設計波長(nm)
    4NUMB4レンズ面数
    面数 曲率 位置屈折率
    無次元(1/mm) (mm)無次元
    i1/R(i) D(i)N(i)
    0001
    10.0186514.11.51825
    2-0.02087221.65222
    3-0.00431101

    (16)「多面レンズ計算実行」ボタンを押します。
    -平行光線正方向 正方向後側 正方向正方向逆方向逆方向後側逆方向逆方向
    -の半径焦点距離焦点距離波面収差出射角度焦点距離 焦点距離 波面収差出射角度
    NoH(mm)F(mm)Fb(mm)OL(λ)U(rad)F(mm)Fb(mm)OL(λ)U(rad)
    00.001103.548199.97500103.5481103.188700
    12103.536199.9723-0.00050.0193103.466103.0455-0.02450.0193
    24103.501199.9655-0.00690.0387103.2192102.6148-0.39530.0388
    36103.445999.9585-0.030.058102.8059101.8938-2.02780.0584
    48103.375999.9586-0.07210.0775102.2235100.8776-6.52960.0783
    510103.299299.9769-0.10020.097101.467899.5592-16.33440.0987
    *近軸のH=0.001mmの値を使用するとします。
    *焦点距離f=103.55mm、正方向後側焦点距離=99.98mm、逆方向後側焦点距離=103.19mmです。
    *焦点距離f=103.55-3.55=100mm、正方向後側焦点距離=99.98-3.55=96.43mm、
    逆方向後側焦点距離=103.19-3.55=99.64mmに変更が必要です。
    (16) 「光線光線追跡-2色A.xls」のシート「IN_FM」の正方向後側焦点距離=99.98-3.55=96.43mm、逆方向後側焦点距離=103.19-3.55=99.64mmを下記のように修正します。
    面数 面種類曲率 位置オフセットXオフセットY最適化最適化屈折率1屈折率2屈折率3
    無次元無次元(1/mm) (mm)(mm)(mm)条件レンズ番号486.1546.1656.3
    iM(i)1/R(i) D(i)Ox(i)Oy(i)CaR[i]CR[i]111
    00099.6400--111
    100.018654.100V-1.521911.518251.51386
    20-0.02087200V-1.661261.652221.6421
    30-0.0043196.4300V-111
    400000--111
    (17)シート「操作」の「曲率半径最適化計算実行」ボタンを押します。
    (18)N次元Gauss-Newton法によるレンズ曲率(1/R)最適化計算結果が表示されます。
    NoEXaXsYaYs1/R(0)1/R(1)1/R(2)
    10.19300.195000.01865-0.02087-0.00431
    20.064300.0648000.01934-0.02117-0.00417
    30.021500.0217000.01938-0.02141-0.00431
    40.0073100.00738000.01935-0.02153-0.0044
    50.0028700.00289000.01932-0.02157-0.00445
    60.0017900.0018000.01931-0.02159-0.00447
    70.0016200.00164000.0193-0.0216-0.00447
    80.001600.00162000.0193-0.0216-0.00448
    90.001600.00161000.0193-0.02161-0.00448
    100.001600.00161000.0193-0.02161-0.00448
    (19)シート「操作2」の「曲率曲率最適化コピー」ボタンを押します。
    (20)シート「IN_FM」をクリックして、曲率半径の逆数を確認します。
    面数 面種類曲率 位置オフセットXオフセットY最適化最適化屈折率1屈折率2屈折率3
    無次元無次元(1/mm) (mm)(mm)(mm)条件レンズ番号486.1546.1656.3
    iM(i)1/R(i) D(i)Ox(i)Oy(i)CaR[i]CR[i]111
    00099.6400--111
    100.01934.100V-1.521911.518251.51386
    20-0.02161200V-1.661261.652221.6421
    30-0.0044896.4300V-111
    400000--111
    (21) )「焦点距離計算.xls」のシート「多面レンズ(緑) (4面)」をクリックします。
    (22)「光線光線追跡-2色A.xls」のシート「IN_FM」の曲率、位置、屈折率をレンズ計算条件入力表の曲率、位置、屈折率等を下記表のようにペーストします。
    No記号説明
    1Dia20レンズ直径(mm)
    2NJ5変数範囲の分割数
    3WL546.1設計波長(nm)
    4NUMB4レンズ面数
    面数 曲率 位置屈折率
    無次元(1/mm) (mm)無次元
    i1/R(i) D(i)N(i)
    0001
    10.01934.11.51825
    2-0.0216121.65222
    3-0.0044801
    (16)「多面レンズ計算実行」ボタンを押します。
    -平行光線正方向 正方向後側 正方向正方向逆方向逆方向後側逆方向逆方向
    -の半径焦点距離焦点距離波面収差出射角度焦点距離 焦点距離 波面収差出射角度
    NoH(mm)F(mm)Fb(mm)OL(λ)U(rad)F(mm)Fb(mm)OL(λ)U(rad)
    00.00199.978396.40870099.978399.614400
    1299.965796.4057-0.00060.0299.893499.4663-0.02720.02
    2499.929296.3981-0.00820.0499.638199.0211-0.43860.0402
    3699.87296.3904-0.03570.060199.210798.2755-2.25220.0605
    4899.799896.3905-0.08560.080298.607997.224-7.26190.0812
    51099.721896.4109-0.11890.100497.825395.859-18.19910.1024
    *焦点距離fはほぼ100mmとなりました。

    *以上で焦点距離f=100mm、レンズ径Φ20mm(有効径Φ18mm)のアクロマートレンズの基本設計は完了です。


  5. 焦点距離f=100mm、Φ20mmアクロマートレンズの評価
    (1) 「光線光線追跡-2色A.xls」のシート「I操作」の「スポットダイアグラム計算実行」ボタンを押します。
    (2)シート「変換」をクリックすると下記のグラフが表示されます。



    *単位はmmで、スポット径は約7μm程度です。
    (3)シート「光線図」クリックすると下記のグラフが表示されます。



    (4)シート「球面レンズ作図(連動用」クリックします。
    *最大レンズ直径、レンズ直径、縁取り等は手動入力します。
    (5)「球面レンズ作図実行」ボタンを押すと以下の図が表示されます。



    (6) 「光線光線追跡-2色A.xls」のシート「I操作」の「波面収差計算実行」ボタンを押します。
    *波面収差計算結果が表示されます。
    *波長546nmのX方向を例にとると光線角度Uに対応した波面収差は
    U[0]X[NUMB-1]U[NUMB-1]AB
    00.003-0.09-0.269
    00.003-0.079-0.204
    00.003-0.068-0.142
    00.002-0.056-0.09
    00.002-0.045-0.052
    00.001-0.034-0.027
    00.001-0.023-0.011
    00-0.011-0.003
    0000
    000.011-0.003
    0-0.0010.023-0.011
    0-0.0010.034-0.027
    0-0.0020.045-0.052
    0-0.0020.056-0.09
    0-0.0030.068-0.142
    0-0.0030.079-0.204
    0-0.0030.09-0.269
    *光線角度U=0.09radで-0.269λと0.25λをオーバーしています。
    *この収差を分析すると
    0次0
    1次0
    2次-0.156
    3次0
    4次-0.245
    5次0
    6次0.132
    *2次収差(色焦点収差)と4次収差(球面収差)が大きいことがわかります。
    * 4次収差(球面収差)を小さくするには、開口絞り(NA絞り)をいれて開口数(NA)を小さくするのが有効です。
    *以上がアクロマートレンズの設計基本手順です。







7章:アポクロマートレンズの設計手順に行く。

トップページに戻る。