2章:肥料の知識

  1. 肥料の基礎知識
     趣味の家庭菜園を改善するには、肥料の基礎知識が不可欠です。
     以下の内容は「農業生産資材情報センター」
    http://sizai.agriworld.or.jp/index.htmlに行く。
    の抜粋です。


     肥料成分には、植物が多量に必要とする多量必須元素と微量必須元素等がありますがそれぞれの成分の植物に対する生理作用は、次の通りです。
    1. 多量必須元素
      1. 窒素の生理作用 
         植物の細胞の原形質の主な成分であるタンパク質などを構成する成分で次のような生理作用があります。主な働きは、
        イ  細胞の分裂・増殖に必要です。
        ロ 根、葉、茎の発育、繁茂を促します。
        ハ 養分の吸収、同化作用を盛んにします。

        ・窒素は大気中に大量に含まれていますが、多くの植物は大気中の 窒素を利用できません。
         このため、硝酸やアンモニアの形で与える必要があります。
        ・窒素の基本物性は 窒素 - Wikipediaを参照しましょう。
        ・アンモニアの性質は アンモニアの性質を参照しましょう。
        ・植物ホルモンの合成に窒素は不可欠な元素です。
        植物ホルモンは 植物ホルモン - Wikipediaを参照しましょう。

      2. りん酸の生理作用 
         植物中の核酸、酵素の構成成分であります。主な働きは、
        イ 作物の生長を早めます。
        ロ 根の発育を促し、発芽力を盛んにします。
        ハ 分けつの数や根、茎、葉の数を増やします。
        ニ 子実の収量を高め、品質を良くします。

        ・りん酸の基本物性は リン酸 - Wikipediaを参照しましょう。
        ・核酸の詳細は 核酸 - Wikipediaを参照しましょう。

      3. 加里の生理作用
          植物中のデンプン、タンパク質の生成、移動、蓄積に役立ちます。主な働きは、
        イ 水分の蒸散作用を調節します。
        ロ 根の発育を早めます。 
        ハ 開花、結実を促進します。
        ニ 日照の不足を補います。

        ・カリウムの基本物性は カリウム - Wikipediaを参照しましょう。
        ・根の細胞膜を通して水の吸収に関与していると思われます。

      4. 石灰の生理作用 
          主な働きは、
        イ 植物の細胞膜を作り、また、これを強化します。
        ロ 有機酸などの有害物質と結びついて、これを無害化します。
        ハ 葉緑素の生成、炭水化物の移動に必要です。
        ニ 根の発育を促進するなどすることにより病害に対する抵抗力を強くします。
        ホ 植物に硝酸態の窒素を良く吸わせ、また、加里、苦土の吸収を調整します。

        ・カルシウムの基本物性は カルシウム - Wikipediaを参照しましょう。
        ・酸性土を中和するのに有効な元素です。

      5. 苦土の生理作用 
          主な働きは、
        イ 葉緑素を構成する元素です。
        ロ 植物の新陳代謝を盛んにします。
        ハ 蛋白質、脂肪の合成に必要な元素です。
        ニ 植物の体内のりん酸の移動を助けます。

        ・マグネシウムの基本物性は マグネシウム - Wikipediaを参照しましょう。
        ・光合成に不可欠な葉緑素であるクロロフィルを構成する元素です。
         クロロフィルの詳細は クロロフィル - Wikipediaを参照しましょう。

      6. 硫黄の生理作用
          主な働きは、
        イ タンパク質の合成に必要な元素です。
        ロ 含硫化合物を作ります。
        ハ 葉緑素の生成を助けます。

        ・硫黄の基本物性は 硫黄 - Wikipediaを参照しましょう。

    2. 微量必須元素 (微量要素)

      1. マンガンの生理作用 
          主な働きは、
        イ 植物の体内の酸化還元酵素の働きを強めます。
        ロ 葉緑素の生成を助けます。
        ハ タンパク質の生成を助けます。

        ・マンガンの基本物性は マンガン - Wikipediaを参照しましょう。

      2. ほう素の生理作用 
         主な働きは、
        イ 細胞膜や通導組織の形成維持に役立ちます。
        ロ 水分、炭水化物、窒素の代謝に関係しています。
        ハ 糖やカルシウムの吸収、転流に関係しています。

        ・ほう素の基本物性は ホウ素 - Wikipediaを参照しましょう。

      3. 銅の生理作用
         銅は、植物体内の酸化還元に関係する銅酵素の構成成分です。
        ・銅の基本物性は 銅 - Wikipediaを参照しましょう。

      4. 亜鉛の生理作用
         主な働きは、
        イ 亜鉛は、植物体内の各種酵素の構成成分です。その働きを高め、体内の酸化還元に関係します。
        ロ 葉緑素、生長促進物質の生成に役立ちます。
        ・亜鉛の基本物性は 亜鉛 - Wikipediaを参照しましょう。


      5. モリブデンの生理作用
         モリブデンは、体内の酸化還元の酵素の構成成分です。また、根粒菌の窒素固定、硝酸還元に関係します。
        ・モリブデンの基本物性は モリブデン - Wikipediaを参照しましょう。

    3. その他
      1. けい酸の生理作用
         植物の必須元素ではありませんが、イネ科植物、特にイネのケイ化細胞を増加させ、耐病、耐虫性、耐倒伏性などを高める有用な元素です。
        ・けい酸の基本物性は ケイ酸 - Wikipediaを参照しましょう。


     植物の成長には、さまざまな物質が関与しているわけですが 具体的にどの肥料をどの程度使用すべきか?
     これは、現在の土壌の状態によっても変化するでしょう。 現在の土壌の状態を知り、最適な土壌管理の方法を模索する 必要があります。


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