23章:3次元パソコン制御ルータ加工機の製作(2)ステージ編

    作成2015.05.10

     3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージを製作しました。

  1. 3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージガイド構造
     3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージガイド構造を以下に示します。

    *基本構造はコストと加工・組立性の良い木材としました。(精度的な安定性は犠牲となります。)
    *摩擦低減のため川口技研(GIKEN) 敷居スベリ はく離紙無し S型を使用しました。
    *ガイドの角度は60度に設定しました。
    *与圧はクッション t10mmスポンジ NRS-05(WAKI)で行いました。
    *スポンジの経時的安定性は悪く、定期的な与圧調整が必要となります。
    *与圧調整はスペーサで行います。


  2. 3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージ駆動機構構造
     3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージ駆動機構構造を以下に示します。

    *M3送りネジはΦ3 SUS430丸棒を加工しました。(かなり大変でした!!)
    *ステッピングモータは固定側ベースに固定します。
    *送りナットは移動台ベースに固定します。
    *M3送りネジの一方はステッピングモータに接続され、他の一方が送りナットに支持された構造です。
    *上記ステージのバックラッシュ発生要因は以下の3要素があります。
    (a)ガイドの摩擦力による構造体の変形によるバックラッシュ
    (b)送りネジと送りナットの隙間に起因するバックラッシュ
    (c)ステッピングモータの軸方向隙間に起因するバックラッシュ
    *バックラッシュ防止リングはステッピングモータの軸方向隙間に起因するバックラッシュを低減します。
    *上記の(a)と(b)起因のバックラッシュがあるため、位置決めの際は必ず一方向から追い込む必要があります。
    *バックラッシュのあるステージの制御は面倒になりますが、木工細工のステージでバックラッシュを無くすのは困難です。


  3. ステッピングモータの選定
     ユニポーラ ステッピングモーター PF42T−96C4を選定しました。
    (1)購入先:秋月電子通商
    (2)価格:¥400
    (3)主な仕様
    ・外径Φ42mm、厚さL15mmの薄型2相
    ・ステップ角:3.75°/step(±5%)
    ・1回転ステップ数:96
    ・駆動電圧:12V(typ)
    ・コイル抵抗:60Ω(インダクタンス:25mH)
    ・駆動パルスレート:590pps(max)
    ・静止保持トルク:46mN・m
    ・シャフト径:Φ3.0mm
    ・重量:約110g
    (4)詳細仕様
     仕様詳細は23-1.pdfを参照願います。
    [23-1.pdf]をダウンロードする。


  4. 3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージ外観
     Xバーニア目盛側からみた3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージ外観を以下に示します。
     X方向のバーニア目盛を読み取れる構造です。


     Yバーニア目盛側からみた3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージ外観を以下に示します。
     Y方向のバーニア目盛を読み取れる構造です。


     Zバーニア目盛側からみた3次元パソコン制御ルータ加工機用ステージ外観を以下に示します。
     Z方向のバーニア目盛を読み取れる構造です。




  5. ステージ編まとめ
    (1)M3送りネジ(SUS430)の加工が大変でまいりました!!
    (2)軸継手はたまたまあったΦ11の鉄棒を加工しました。これもやや厄介ですが、M3送りネジ(SUS430)と比べれば簡単でした。
    (3)当初はバックラッシュ削減用として輪ゴムを使用して与圧をあたえたのですが、ストローク位置により負荷トルクが変動する問題が発生しました。
    (4)このため、与圧用の輪ゴムははずしました。
    (5)木工細工のステージでは、摩擦力による構造体の変形が防止できず、どうしてもバックラッシュが発生します。
    (6)木工細工のステージの制御において、位置決めの際一方向から追い込む動作が不可欠となります。
    (7)スポンジの経時的安定性は悪く、定期的な与圧調整が必要となります。
    (8)与圧調整はスペーサで行います。




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