1章: 微分回路の簡易計算方法の検討

    作成2017.04.06

  1. 矩形信号の発生
     矩形信号発生器として、Arduino(アルドゥイーノ) unoを使用します。
    詳細は
    Arduino(アルドゥイーノ) unoを参照願います。


  2. 矩形信号の発生スケッチ1(プログラム1)
    //digitalWrite
    const int outPin =  13;
    void setup() 
    {
      pinMode(outPin, OUTPUT);
    }
    
    void loop() 
    {
      int i;
      for (i=0; i <= 20; i++)
      {
        digitalWrite(outPin, HIGH);
        digitalWrite(outPin, LOW);
       } 
    }
    
    解説:
    (1)ディレイ無しに13番ピンの出力をON/OFFします。
    (2)ピンの出力ON/OFFには時間がかかるため、周波数は145kHz程度になります。


  3. 矩形信号の発生スケッチ2(プログラム2)
    //tone
    void setup() 
    {
        tone(13, 50000);
    }
    
    void loop() 
    {
    }
    
    解説:
    (1)13番ピンに周波数50kHzの矩形信号を出力します。
    (2)設定可能な最大周波数は65535Hzです。
    (3)設定可能な最小周波数は31Hzです。


  4. 矩形信号波形データの保存
     矩形信号波形データの保存は、Hantek 6022BE PC USB 2CH デジタルオシロスコープを使用します。
    詳細は Hantek 6022BEデジタルオシロスコープとAMラジオを参照願います。
    補足説明
    (1)Windows7からWindows10にアップグレード後正常動作しなくなりました。
    (2)Hantek 6022BEデジタルオシロスコープを接続後、「システム」_「デバイスマネージャー」_「Hantek622BE DRIVER 2」 を更新する必要がありました。
    (3)Time/divの設定と保存時の時間間隔Δtには以下の関係がありました。
    NoTime/divΔt
    1500us1us
    2200us1us
    3100us1us
    450us1us
    520us0.25us
    610us0.125us
    75us0.0625us
    82us0.02us
    91us0.01us


  5. 微分回路
     図1-1に微分回路図を示します。



     図1-1において、入力電圧はArduino(アルドゥイーノ) unoを使用し、矩形信号の発生スケッチ1(プログラム1) を使用します。
     矩形信号波形データはHantek 6022BE PC USB 2CH デジタルオシロスコープを使用して保存したデータ を使用します。
     Time/divの設定は5usとします。このときの時間間隔Δtは0.0625usとなります。
     このデータを「V0=f(t)」とします。
     コンデンサーに蓄積される電荷Q(単位クーロン)は電流をi(単位A)とすると

    抵抗とコンデンサの電圧の和は、入力電圧に等しくなります。すなわち

    出力電圧V1は

    電荷Qの初期値をゼロとするならば、 (1-2)式から電流iが求まります。
    電流iが決定されれば、 (1-1)式から電荷Qの計算ができます。
    電流iが決定されれば、 (1-3)式から出力電圧V1が計算できます。
    これらの計算はEXCELの表計算で実行できます。


  6. 1-1.xls(微分回路の計算)のダウンロード
      1-1.xls(微分回路の計算)は以下からダウンロードできます。
    1-1.xls(微分回路の計算)をダウンロードする。
     1-1.xlsはOpenOffice 4.1.3でも問題無く動作しました。


  7. コンデンサ容量15〜60pFでの計算結果グラフ
     コンデンサ容量15〜60pFでの計算結果グラフを以下に示します。
    周波数=145kHz
    時間間隔Δt=0.0625μs
    抵抗R=10kΩ





  8. コンデンサ容量15〜60pFでの実測結果グラフ
     コンデンサ容量15〜60pFでの実測結果グラフを以下に示します。
    周波数=145kHz
    時間間隔Δt=0.0625μs
    抵抗R=10kΩ



  9. 微分回路の簡易計算方法の検討まとめ
    (1)微分回路の出力電圧波形の検討において、計算結果と実測結果が大幅に異なる結果となりました。
    (2)計算では近似計算誤差が発生します。
    (3)実測では、鋭い波形にオシロスコープが追従できない可能性があります。
    (4)真値を知るのは難しいのですが、今回はオシロスコープの波形追従性誤差が大きいように思えます。
    (5)計算はマクロを使用しないため扱いが容易です。




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