1章:太陽光と屈折率と反射率

    作成2019.05.13
  1. 太陽光
     人間の目は紫(波長380nm)から赤(波長750nm)まで認識できると言われています。 また、太陽の表面温度は約5505℃程度と言われています。高温物体から放出される光のスペクトル分布は
    光の不思議と応用-5章:黒体輻射の黒体輻射の式


    で計算できます。計算結果グラフを以下に示します。


     太陽表面から放出された光のスペクトルは可視光の範囲において、ほぼなだらかで一様と考えることができます。 オゾン層や大気層で一部の光は吸収されたり、散乱したりしますが、ほぼ一様です。朝や夕方は青の光が吸収散乱し 赤くなります。

  2. 屈折率の波長特性
    光の不思議と応用-8章:屈折率の波長特性の計算引式は


     (8-11)式によれば、任意の角速度ωにおける複素屈折率nは、3個の定数で 決定できることになります。
     ω0は固有振動角速度、ωpはプラズマ振動角速度、 γは粘性係数です。
     これは、物質に依存する定数です。
     光速をCとすると角速度ωは波長λに変換できます。
       λ =2πC/ ω
    となります。
     ここで固有振動角速度ω0に対応する波長λ0が紫(380nm)から赤(750nm)の間にあるとします。
     とりあえず
     λ0=600nm
     λp=3000nm
     γ=1.00E+12
     として計算した結果のグラフを以下に示します。


    固有振動角速度ω0に対応する波長λ0に一致する波長で屈折率が実数部、虚数部ともに最大となります。
    屈折率が大きいと反射率が高くなることが予想できます。

  3. 反射と屈折の法則
    光の不思議と応用-9章:反射と屈折の法則の反射率計算引式は


    上記計算式において、N0は空気の屈折率で、実数部が1、虚数部が0となります。
    N1は物質の屈折率です。N1の値を図1-2の値を代入し、計算した結果をグラフにすると以下のようになります。


    上記のグラフからλ0=600nmと一致する波長で反射率が最大となることがわかります。
     以上の検討から、固有振動角速度ω0に対応する波長λ0が紫(380nm)から赤(750nm)の間にある物質が鮮 やかな色を持つ染料となることが予想できます。
     しかし、実際の草木の成分とその特性を知ることは困難であり、草木染の色だしは試行錯誤となります。







2章:被染色物の選定と媒染の原理に行く。

トップページに戻る。